井沢 元彦
逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎
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定価 : ¥ 1,628
販売元 : 小学館
発売日 : 1996-05 |
怨霊というキーワードで日本史を読み解く本。
この本では、本命である菅原道真、平将門が登場。
どこにでもあるような説明では面白くない。
そこはさすが井沢氏、
菅原道真のエピソードと絡めて、世界最初の大長編小説「源氏物語」が
生まれた背景を説明してくれている。
井沢氏にかかると、「古今和歌集」まで怨霊の鎮魂のために編まれたということになる。
理屈が通っていて面白い。
自衛隊が令外官だとは卓見だ。
私は日本史が嫌いでした。でも、「逆説の日本史」は素人にも分かりやすい言葉で書いてあるので、なんとなく理解できた気がします。そして、この巻で書かれていた「ケガレ」思想を読んで、昔から不思議だった母の人種差別の言葉に納得がいきました。他の人に関しては、マヌケなくらい騙されてもまた信じて、そんなに悪意を持つことの無い母が、どうしてあんなに人種差別するのか不思議だったんです。ある日、理由を聞いたら「お産の後始末とか、汚い作業をするんだ」とか、私には理解できない理由でした。その理由がこの本のおかげでわかりました。そして、私の中にも、母ほどではないにしても「ケガレ」思想があるということに気づきました。目の前が開かれた感じです。
もうひとつ人気がないという平安時代ですが、「そうかな…?」と思いつつ、読んでみたら確かに退屈かも…。
天皇や藤原氏の名前もずらずら出てこられても全然顔が浮かばないし、やっていることも娘を天皇に嫁がせるとか、荘園の上がりをもらうとか、せこいことばかり…。
ただ、院政の発生原因とプロセスは、高校の日本史以来、初めて理解できました。
面白くなって来るのは、後半の武士の誕生の思想/宗教的背景を喝破した部分から。
これは平安時代に軍隊が完全に放棄された事と密接に関係しています。
特にケガレと差別の問題と軍隊の問題は、日本と日本人の現代の問題と過去の問題として、まさに温故知新。
是非ひとりでも多くの人に読んでほしいです。
いわゆる同和問題というものを知ったのは私が20歳を過ぎてからでした。私は同和地区というのを見たこともないし、同和出身者に会ったこともない(かりに会ったとしても意識したことがない)。今のように平和な日本になぜそのような差別問題が存在するのか不思議で仕方なかった。しかも日本は民主主義国家であるし、誰でも平等に少なくとも9年間は教育を受ける権利があるにもかかわらずである。メディアで「同和出身者に対する差別を無くしましょう」と言われてもそもそも同和問題の意味が解らない。辞書を調べても明解な答えは得られないし、多くの人に尋ねてもはっきりしない。朝鮮人差別問題と混同してる人も多い。そんな長年の疑問を解決してくれたのがこの本でした。なぜ世界でも稀な「部落差別」が生れたか?この謎を解いてくれたことがこの本を読んだことの最大の収穫で、20年来胸に支えていたものがとれて溜飲が下がる思いでした。
「言霊(ことだま)」と「穢れの思想」の今日における影響の例として、何度も何度も自衛隊の問題が引き合いに出されるのだが、あまりにくどい。
本書の主題は(旧)社会党批判かと思えるほどである。
連載誌の影響もあるのだろうが、歴史に対するユニークな解釈を求めて読んだものとしては、著者の政治的な思想押し付けが極めて欝陶しかった。
これは第3巻にも共通する感想です。
第1巻が素晴しい内容だっただけに、この第4巻(そして第3巻)には高い評価を付けることは出来ません。