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定価 : ¥ 1,365
販売元 : 朝日新聞社
発売日 : 2001-11 |
旱魃・長雨による凶作、飢饉、疱瘡などの疫病、そして戦乱と中世に生きる人々は常にこれらから逃れられない運命にあった。巻末の膨大な旱魃、長雨、台風、疫病、蝗の被害、地震、火山の噴火などのデータにあるとおりわが国の中世ではほぼ毎年といっても良いくらい、国内のどこかで災害が発生していたことに改めて驚く。応仁の乱以降の戦乱の時代も、政治的な色彩の濃い天下の統一のための戦いというよりも、生きるための領地の拡張と食料・資源(奴隷を含む)の争奪というのが実情であったのだろう。また「村の城」という視点も、兵農未分離の時代には当然ありうることであり、全校的な傾向であるかどうかは別にしても数多く残されている中世の小規模な城郭・砦跡などの事情を考慮すると肯ける部分が多い。さらに、飢饉による身売りや合戦による庶民の強制連行(乱取)は、ことによると近世における賤民制成立の歴史的な要因のひとつと考えられるような示唆も感じるに至った。ただ、すでに発表された論文を一冊の本にまとめているため、テーマとしての統一性が薄められているように思える部分がマイナス要因。
旱魃・長雨による凶作、飢饉、疱瘡などの疫病、そして戦乱と中世に生きる人々は常にこれらから逃れられない運命にあった。巻末の膨大な旱魃、長雨、台風、疫病、蝗の被害、地震、火山の噴火などのデータにあるとおりわが国の中世ではほぼ毎年といっても良いくらい、国内のどこかで災害が発生していたことに改めて驚く。
応仁の乱以降の戦乱の時代も、政治的な色彩の濃い天下の統一のための戦いというよりも、生きるための領地の拡張と食料・資源(奴隷を含む)の争奪というのが実情であったのだろう。また「村の城」という視点も、兵農未分離の時代には当然ありうることであり、全校的な傾向であるかどうかは別にしても数多く残されている中世の小規模な城郭・砦跡などの事情を考慮すると肯ける部分が多い。
さらに、飢饉による身売りや合戦による庶民の強制連行(乱取)は、ことによると近世における賤民制成立の歴史的な要因のひとつと考えられるような示唆も感じるに至った。
ただ、すでに発表された論文を一冊の本にまとめているため、テーマとしての統一性が薄められているように思える部分がマイナス要因。
とにかく厳しい中世の現実を描き出そうとする
すばらしい本だと思います。
偉い大名が社会を動かしていたわけではない。
そんな思いを強くしました。
人は生きるために他人を犠牲にし、
自分自身も時には奴隷になってでも生き延びる。
いいとか悪いとかで判断できない、事実の世界に
圧倒されます。
飢饉と戦争は、現在の日本に暮らす人間には遠く
感じられますが、実際は、イラクの問題など、
日々のニュースに溢れています。
イラクに戦争を持ち込むこと、自衛隊を派遣してその
地域に戦争状態を作り出すこと。
戦場で行われる略奪。
この本が私たちがどう行動するのか教えてくれるわけでは
ありませんが、
現代社会の問題に向かい合うためのヒントも含まれている
よう思います。
歴史研究と現代を結ぶ良書でもあります。