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人気ランキング : 25770位
定価 : ¥ 690
販売元 : 小学館
発売日 : 2002-06 |
元寇とその影響、鎌倉幕府の滅亡、建武の新政を扱った章も面白いが、本書で特に秀逸なのは、既に多くのレビュアーが指摘されているように、日本の仏教受容から始まって鎌倉仏教の成立・展開(戦前に至るまで)をわかりやすく説明してくれた最初の3章です。特に、最澄対空海というライバルに触れた箇所が、その余韻を持った終わり方とともに心に残る。最澄は文明は書物によって承継できると考え、空海は文明とは本人が体得しなければ意味のないものと考えた。結果として、宗教者・思想家として最澄は空海にそのスケールでは及ばなかったかもしれないけれども、弟子には恵まれ、その影響は鎌倉仏教の開祖にまで引き継がれる。「研究者」としての才能と「教育者」としての才能は全く別物と喝破する作者の指摘は素晴しい。碁の世界でいえば、最澄は木谷実で空海は呉清源だとする例えもわかりやすい。一方で、あれが月だよと指差す時、人が指(真理を示すための道具)にとらわれて月(真理)を見ないことを戒めた空海の教えも実に深い。似たような会話が展開された有名な映画の冒頭がすぐに思い出されますね。そう「燃えよドラゴン」。"Don't think. Feel."の世界ですね。文明・文化の継承の2大潮流の対比を試みた章として、第1章は実に奥行きが深く、これだけのためにも本書を一読することをお薦めします。
「鎌倉以前の仏教」から「後醍醐天皇の新政」まで。
仏教については同じ著者の『世界の[宗教と戦争]講座』でも触れていましたが、さらに突っ込んで(もちろん釈迦から始まって)日本独自の仏教史について結構詳しく書いています。
ボリューム的にも新書1冊ぶんくらいはあり、日本仏教史の基礎は確実に押さえられると言っていいでしょう。
日蓮宗が太平洋戦争への軍国主義にまで影響を与えているというあたりは特に面白かったです。
時系列順に書かれていながらも、後の歴史への布石に関してはよく前後するのが本シリーズの特徴で、それによって歴史の流れ(というか関係というのでしょうか)がよく分かるようになっています。
鎌倉幕府の滅亡に関しては、高校時代はよく分からなかったので、スッキリしました。
日本人と、独裁制に絡めた建武の新政の特殊性についても必読です。
中世神風編は、まずは鎌倉仏教の話が前半。
井沢氏いわく、鎌倉仏教の発展史こそ、日本仏教の特性を理解する上で
もっとも特徴的な時代である、とのこと。確かにこの編を読んで、日本の仏教と
インド仏教(中国仏教 etc)との違いについて「なるほど」と思うことは多くあ
りました。
法然 → 親鸞 → 蓮如
栄西 → 道元
(他に浄土宗や、日蓮などについても説明されています)
といったプロセスで仏教がどのように日本風に発展したのかが分かりやすく説明
されています。海外の友人などに「どうして日本の仏教はインドや他のアジア諸
国の仏教と違うのか?」「異端なのでは?」と言った、突込みにもちゃんと対応
できるような内容になっています。
また、後半部分では後醍醐天皇を中心とする人々がどのように鎌倉幕府の終焉に
役割を演じたのか?を説明してくれています。
太平記ファンの私ですら、後醍醐天皇 = 実行力はあるがわがまま
というイメージに縛られていましたが、冷静に(善悪決め付けずに)彼を分析す
るとそれなりに評価を良い方へ改めねばならないな、と考えました。世間知らず
の殿上人であったという事実は否定できませんが、強引な手腕も備えた政治家的
側面があったということは確かなようです。
あと、前半と後半の関連性が面白かったのは、日蓮の思想が元寇(元の二度の襲
来)によって強化され、それが戦前の運動家・軍人に強い影響を与えていたとい
うことです。このことは大まかに説明すると、日蓮は外敵の日本への襲来と日本
の崩壊&復興を法華宗の考え方から予言をしており、その予言が的中するかのよ
うに元が日本に攻めてきました。(ここで日本が崩壊しないことがミソなのです
が)これが思想として近現代まで生き残っており、少なからず日本の歴史を決め
た人物の思想的背景になっていたことは非常に興味深かったです。
この内容に興味を持った方は、下手に私が説明するとどうにも要約が難しいので、
本書を読んでいただければ、と思います。
中世神風編は、まずは鎌倉仏教の話が前半。
井沢氏いわく、鎌倉仏教の発展史こそ、日本仏教の特性を理解する上で
もっとも特徴的な時代である、とのこと。確かにこの編を読んで、日本の仏教と
インド仏教(中国仏教 etc)との違いについて「なるほど」と思うことは多くあ
りました。
法然 → 親鸞 → 蓮如
栄西 → 道元
(他に浄土宗や、日蓮などについても説明されています)
といったプロセスで仏教がどのように日本風に発展したのかが分かりやすく説明
されています。海外の友人などに「どうして日本の仏教はインドや他のアジア諸
国の仏教と違うのか?」「異端なのでは?」と言った、突込みにもちゃんと対応
できるような内容になっています。
また、後半部分では後醍醐天皇を中心とする人々がどのように鎌倉幕府の終焉に
役割を演じたのか?を説明してくれています。
太平記ファンの私ですら、後醍醐天皇 = 実行力はあるがわがまま
というイメージに縛られていましたが、冷静に(善悪決め付けずに)彼を分析す
るとそれなりに評価を良い方へ改めねばならないな、と考えました。世間知らず
の殿上人であったという事実は否定できませんが、強引な手腕も備えた政治家的
側面があったということは確かなようです。
あと、前半と後半の関連性が面白かったのは、日蓮の思想が元寇(元の二度の襲
来)によって強化され、それが戦前の運動家・軍人に強い影響を与えていたとい
うことです。このことは大まかに説明すると、日蓮は外敵の日本への襲来と日本
の崩壊&復興を法華宗の考え方から予言をしており、その予言が的中するかのよ
うに元が日本に攻めてきました。(ここで日本が崩壊しないことがミソなのです
が)これが思想として近現代まで生き残っており、少なからず日本の歴史を決め
た人物の思想的背景になっていたことは非常に興味深かったです。
この内容に興味を持った方は、下手に私が説明するとどうにも要約が難しいので、
本書を読んでいただければ、と思います。
権威主義、史料至上主義、呪術観の無視という従来の日本学界の常識を再検討し、日本史に新たな視点を提供する「逆説の日本史」シリーズの第6弾。本書でも著者のオリジナリティあふれる学説をもとに、明快に日本史を紐解いている。
第1章から第3章の「鎌倉新仏教の展開」は仏教史書としても極めて秀逸。仏教がインドで生まれ中国・朝鮮を経て日本に渡ってきた経緯から、鎌倉時代における仏教への認識、民衆の仏教への関与度などを綿密に考察してあり、時代背景を重視する著者ならではの鋭い分析が展開されている。本書により、仏教はかなり多彩な解釈があり、各宗派が乱立し現在に至る経緯をようやく理解することができた。