 |
人気ランキング : 70832位
定価 : ¥ 1,050
販売元 : 岩波書店
発売日 : 1994-09 |
古事記の起源神話は道教の影響が大きく日本書紀(特に第五の一書)は最古形に近い形の日本起源神話が乗る。古事記は朝廷正史ではなくそれが残ったのは日本史上最大の神道家といわれる本居宣長の功績による所が多い。彼の古事記伝の副産物として様々な古典文学に至る解釈が生まれる。様々な口承氏族神話を儒教、仏教、道教の経典文字として伝来した文字をそれらの思想の影響を受けながら成立したものである。中国の属国状態から聖徳太子から初めて中国の皇帝に対抗して対等の天皇号を名乗り中国、朝鮮半島の統一という時代の危機に氏姓制度から律令王朝制度へ移行を成し遂げた中国冊封体制からの独立宣言的書物である。日本の皇祖達のご苦心が忍ばれる。
第1巻は、天地開闢から神話時代、日向三代、初代神武天皇を経て、第10代崇神天皇までを収録しています。書き下し文とはいえ、漢文調の文章が難点ですが、苦労してでも読む価値はあると思います。見所も、神話や神武天皇の東征、崇神天皇などが挙げられると思います。
神話時代は『古事記』との読み比べが魅力的です。『古事記』では一筋の物語として語られますが、『日本書紀』では、どこが本文なのかわからなくなるくらいたくさんの別伝が記載されていて、微妙な差異など、読んでいて面白いです。
しかし注目すべきは崇神天皇ではないでしょうか。崇神天皇は祭祀王、三輪王朝(イリ王朝)の祖、神武天皇のモデルなど様々な言われ方をされます。果ては騎馬民族の王で、朝鮮半島から日本に渡ってきたと主張されたりします。しかし、実際の『日本書紀』ではどのように記されているのだろう。まだ知らない人はぜひ確かめてみてください。
『日本書紀』『古事記』のいわゆる「記紀」の解説書から、邪馬台国の存在や大和朝廷の成立など古代日本史を扱った本は数多にあるが、とにかく基礎資料たる『日本書紀』の原文を、全部読み通さなくても、せめて参照できるように手元において置かなければ正確な知識の習得はおぼつかない。岩波文庫のものは原文のままで、非常に詳細な注釈がついているのでとても参考になるだろう。反面、原文なので読むのが難しいから講談社学術文庫の宇治谷孟氏、あるいは中公クラシックスの井上光貞氏の現代語訳もそろえておけば万全だと思う。日本古代史に関心がある人で、専門家や歴史愛好家の書いたものを読むだけで満足しているような人がいるが、まさに自分たちの歴史を学ぶのであるから、きちんと『古事記』『日本書紀』の原典に当たるように心がけてこそ、正確な歴史認識を期すことができる。字が小さいのが気になる方はワイド版の方もお勧めである。