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井上 光貞

日本の歴史〈1〉神話から歴史へ

日本の歴史〈1〉神話から歴史へ

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定価 : ¥ 1,300
販売元 : 中央公論新社
発売日 : 2005-06

価格 商品名
¥ 1,300 日本の歴史〈1〉神話から歴史へ
1965年からの日本史ブームに火をつけた名著

戦後の日本古代史研究を牽引した一人である井上光貞氏が、1965年に著述し、日本史ブームに火をつけた名著。現在も版を重ねる岩波新書の「日本国家の起源」で提示した内容をさらにかみくだいてわかり易くし、それ以外の内容も含めて詳細に叙述している。出版後の考古学や古代史の研究成果は目覚しく、現在ではこの書を基本書とするわけにはいかないが、考古学や神話学などの他領域の学問成果との連携の仕方、視野の広さ、重要な学説を紹介しながら自説を展開する叙述方法などにより、それまでの古代史の研究状況を十二分に堪能することができる内容となっている。ただ残念なのは他のレビュアーの方も書いておられるが、改版にあたって現在の学問水準と比較して、現在でも有効な視点は何かを解説に期待していたが、森浩一氏の回顧録になってしまったことである。1965年の著述としては星5つであるが、基本書としての価値がやや薄れたこと、解説が期待はずれであったので星4つとした。なお最近出版された佐伯有清氏の岩波新書「邪馬台国論争」の中で、考古学者の小林行雄氏が内容にクレームをつけた話がのっている。興味のある方は合わせて読まれるのも楽しいかもしれない。

40年前の名著。内容は別にして、解説者と出版社の姿勢は亡き著者への背信行為

始めにお断りしておくが、今回の「新版」はまだ読み始めだ。ずっと昔に読んでいるが、細部の記憶は定かでない。が、今回の出版に関してひどく憤るものがあり、内容については後日の変更をお約束して、敢えて手にした今の「所感」を認めることをお許し願いたい。
紹介文にも記されていないが、本書は今から41年前、1964年の著書である。本書に限らず40年も前のシリーズが復刊されること自体異常な事だが、専門化・細分化の著しい中で比較的に広い範囲を各巻が扱っているこうした企画は現在では極めて困難である。だから、ほぼ全ての巻で一定のレヴェルを達成した本シリーズの復刊もある意味「仕方ない」と思う。
特に原始から古代国家の成立までを扱った本巻は素晴らしい出来である。
だがその分、その後の考古学的発見等でその記述は細部において陳腐化が著しい。今回の復刊では直木孝次郎氏の第2巻を読んでいるが、幸いに著者がご健在で、ご自身の手になる優れた「解説」があった。それに対して、著者が20余年前に逝去されている本書の行方には一方ならぬ関心があったのだ。
実際、2巻め以降は順調に発行される中、本書だけは出版が遅れた。13巻まで刊行が進み、僕の関心が薄れ掛けたところでようやく登場の運びとなったのである。察するに、1)本書の記述の秀逸さを明解にしつつ、2)その後の顕著な発展の概要を補う、という難しい課題をこなす「解説者」探しに苦労されたのだと思う。門外漢の愚生でも、その大変さは多少は理解しているつもり。
が、発行されたものを見て愕然とした。本書の執筆協力者の一人でもある森浩一氏の「解説」は、期待した使命を全く放棄したお粗末の限りである。のみならず著者が生前にすでに本書の陳腐化から絶版を希望していたことを恥ずかしげもなく書くのは、著者の学問的誠実さに対する「裏切り行為」だ。
こんな「解説」付で刊行した出版社と共に最大級の非難を申し立てる。

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