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阿川 弘之

二十世紀日本の戦争

二十世紀日本の戦争

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定価 : ¥ 693
販売元 : 文藝春秋
発売日 : 2000-07

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¥ 693 二十世紀日本の戦争
それぞれの視点

阿川弘之、中西輝政、福田和也、猪瀬直樹、秦郁彦の五名による討論なので、一つの問題を深く掘り下げていくことは無い。しかし、日本が関わった戦争をどのように捉えるかと言う点において、五名それぞれの視点が披瀝されているので非常に参考になる。「戦争反対」を叫ぶだけで、戦争そのものについて何も考えてこなかった人たちへの戦争入門書とも言える著作である。

論者の立場は違うとしても、かみ合った議論がされている。

 この種の対談集は、議論がかみ合わないまま、それぞれが、持論を述べておしまいということが多いが、最期まで議論がかみ合っている。
 これは、戦争を賛美したり、肯定したりしないまでも、人類の歴史の中で戦争は不可避であり、東京裁判史観のように後から、断罪するような手法をとっていないからだと思う。
 日露戦争にいたる原因は、その前の日清戦争も含め、当時のアジアにおける欧米やロシアの侵略と日本に地政学上での対応の必要にあったことを明らかにし、単純に日本がアジアで唯一の先進国として侵略戦争、植民地レースに参加したものではないことを示してくれている。
 日本が、もし自制して何もしていなければ、日本は、今のように卑屈な「謝罪外交」「自虐史観」に支配されなかったかもしれないが、「日本」という国が存在しえたかは又、別であろう。
 戦争を賛美するものではないが、戦争は歴史の中で不可避であること、その際の対応を後付けの理屈で非難するのではなく、その時点での周辺の情勢との関係で論じるべきだという視点を見事に提供してくれている。この本の視点で、様々な歴史の本を再点検すると面白いと思う。

戦前から戦後を考える

20世紀の百年は日本にとって今までになかった百年だったという事が良くわかった.
満州事変から太平洋戦争に至る道の中で日本の破局を避ける術はなかったのか.そこにこの座談会の主題があったと思う.
石橋湛山の小日本主義に対する福田氏の反論が良かった.
あえて不満を言うなら阿川氏の海軍での話がもっと読みたかった.

抜群の面白さ

各歴史事件の基礎知識さえあれば、その連関性を解説してくれるので抜群の面白さとなる。
猪瀬氏が進行役、中西、秦、福田氏という論客に唯一の戦争経験者阿川氏が絶妙の解説を加える。議論というより其々がどう思ったかを忌たんなく述べ合うざっくばらんな雰囲気が読みやすい。
これを読んで興味をおぼえた歴史事件を深く調べてみるのもいいと思う。そういう意味では手軽な歴史参考書。

平易だが、説得力あり。

 帯には、
『日本のこの100年は、「戦争の世紀」であった』

 とある。

 異論はないけど、それをいうのなら、日本だけに限定されたことではない。二十世紀とは、人類の歴史上、比類ない「戦争の世紀」だったのである。
 後半の、満州事変、太平洋戦争当時の状況をふりかえり、「当時の日本に別の選択肢はありえたか?」という検証を行う部分も十分に興味深いのだが、それ以上に、前半、日清・日露前後の西欧やアメリカ側の視点から、「遅れてきた近代国家=植民地拡大主義国」日本がどう見えていたか、を分析した部分が、あえて不謹慎な言い方をするなら、かなり面白い。
 江戸の幕藩体制の影を色濃く受け継ぎ、集束していなかったい当時の一般的な日本国民の感覚が、日清戦争前後を?!??!!??、急速に「ナショナリズム」に目覚めていく様子。それに、ヨーロッパにとっては第一次世界大戦、アメリカにとっては南北戦争という、何十万人もの戦死者をだした「グレート・ウォー」の記憶が、以後の歴史に与えた影響、戦艦や旅順攻略時二○三高地の要塞を「目前に立ちふさがる、圧倒的に巨大で強力な近代の象徴として建造物」にみたて、それに歩兵でぶつかっていった「無謀な」メンタリティを分析する部分、日清戦争で日本が勝ってしまったことが余計な警戒心を呼び、当時の列強も以後の戦略を路線変更しなければならなかった事情などが、「対談」という平易な形で、説得力をもって語られている。

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